自己破産の陳述書の書き方①

こんにちは、行政書士のKです。

今日は自己破産の陳述書の書き方について見ていきたいと思います。

 

陳述書を作成する時には、どういった内容をどのように記載するのでしょうか。
記載例とあわせて、その記載方法について確認していきましょう。

 

陳述書の入手方法

陳述書は、各裁判所からその書式が公表されています。
「破産手続開始・免責許可申立書」の一部となっている場合もあるため、あわせて確認しておくといいでしょう。

 

ホームページからダウンロードできる裁判所もあり、弁護士に依頼する場合も、あらかじめ自身で内容を見ておくことができます。

 

なお、陳述書の書式は、裁判所ごとに定められており、その内容は一致していません。
そのため、必ず管轄の裁判所の定める書式を利用するようにしましょう。

 

なお、以下の記載内容は、東京地方裁判所が定める書式にしたがって解説していきます。

 

記載内容(1)経歴、家族関係

経歴は、過去10年前から現在に至るまでの職歴を記載することとされています。
ただ、この10年というのは、その間に自己破産につながる事情が発生していることを前提にしているものです。

もし、自己破産につながる事情がそれ以前にあれば、その内容について記載することが求められます。

 

また、家族の氏名・続柄・年齢・職業・同居か別居かの区分を記載します。
家計の収支に関係する人について記載することが求められるため、仕送りをしている家族がいれば、その人も記載します。

 

記載内容(2)住居の状況、破産申立費用の調達方法

破産手続きを進めるうえで、住居を賃借しているか持ち家かは、その後の手続きの方法を分ける非常に重要な内容です。

 

そのため、申立てを行う時点での状況を正確に記載しましょう。
賃借の場合には、民間か公営か、あるいは社宅や寮に該当するかも記載するようになっています。

 

破産手続きや弁護士費用は、これから破産しようと考えている人には非常に大きな負担です。
そこで、その費用の調達方法について記載することが求められます。

 

記載内容(3)免責不許可事由

免責不許可事由に該当する場合、原則は自己破産しても免責が認められません。
ただ、自己破産を申し立てた多くの事例では、免責不許可事由に該当しても免責が認められています。

 

陳述書には、免責不許可事由に該当することを記載し、その詳細についても記載する必要があります。
免責不許可事由に該当する行為はいくつもありますが、ここでは主なものを3つご紹介します。

 

最初に記載が求められるのは、資産や収入に見合わない支出がないか、あるいは賭博や射幸行為がないかです。

 

支出の内容として、浪費がある場合は、飲食や買い物、旅行などの中から該当するものを選択します。

 

また、賭博や射幸行為に該当する場合は、パチンコや競馬、株式投資やFXなどの選択肢から該当するものを選択します。

 

さらに、そのような支出をしていた時期や支出の総額、収入の金額などを記載します。

 

 

次に、出資法の規定を超える高い金利での借り入れがないか、あるいはクレジットカードを利用した換金行為がないかを記載します。
このような行為がある場合は、その時期や金額についても記載する必要があります。

 

また、特定の債権者に対して利益を与える行為や、返済時期より前に返済するような行為がないかを記載します。
この場合も、該当する時はその時期や金額を記載します。

 

これ以外にも、免責不許可事由に該当するケースはあるため、その内容や金額について記載が求められます。

 

免責不許可事由に該当することは、決して望ましいものではありません。
しかし、その行為を隠すことは、破産手続きを進めるうえで不利になる行為です。
該当する場合には、正直に記載するようにしましょう。

 

 

記事長くなりましたので、次回も続けて自己破産の陳述書の書き方をご紹介いたします。

それでは、また。

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