今日は法人が倒産したらどうなっていくか、その流れについて解説していこうと思います。
特に債権回収や債務の返済を行い会社の清算を図ることを「通常清算」といいます。
今回はこの通常清算に焦点を当てて、法人の清算手続きについて、フローチャートにしてみましょう。
会社の廃業には数々のステップがあり、清算が終わるまでに長い時間がかかることが多いです。
・会社の解散のながれ
ステップ1
解散原因が発生する
※会社の解散には様々な要因があります。
しかし、廃業に繋がる解散原因のもっともなものは、破産手続き開始の決定となります。
廃業手続きはいくつかあり、
①破産手続
②通常清算手続
③特別清算手続
があります。
※破産手続きについては別のブログで説明していますのでご参照ください。
ステップ2
会社の解散の登記・清算人の選定と登記
会社所在地の法務局で、会社解散の登記を行います。(抹消登記)
それから、会社の清算人の選任と登記も同時に行います。
だれが清算人になれるのかというと、
「会社定款に定めのある人」や「会社代表者」「弁護士」が清算人に就任することが一般的です。
誰を清算人にするのかは株主総会での議決事項ですが、この方法で清算人の選任をしないときは、「会社代表者」がそのまま清算人となります。
ステップ3
官報への公告
会社の債権者はあなたの会社が、解散したことをすぐに知ることができません。
会社が把握している債権者には債権申し出の通知を行います。
しかし、存在が把握できていない債権者には、会社の解散を債権者に知らせるために官報に公告をだして、債権者に知らせます。
そうすることで、債権者が名乗り出るように知らせることができます。
※官報とは、国が毎年決まった時期に出している、様々な会社の動きが記載されている新聞のことです。倒産した会社の名前が掲示されます。
ステップ4
財産目録などの作成と、株主総会決議
清算人が、財務諸表(貸借対照表)や財産目録を作成して、株主総会を開いて承認を得ます。
ステップ5
資産売却
会社の資産(不動産や有価証券などを含む)を売却して、債務の債権を確保します。
会社資産の売却とは、有価証券や不動産、売掛金など、文字道理会社の財産全体をさします。
ステップ6
会社の債務の返済を行います。
債務超過により、会社が回収した債権よりも債務のほうが多くなってしまうことがあります。
その場合は、裁判所に対して、通常清算から、特別清算や破産の申し立てに切り替えます。
ステップ7
残った財産の分配
債権回収を行い、債務の返済をしたのちに残った残預金については、
株主に分配されます。
ステップ8
株主総会の決算報告の承認
清算人が決算報告した後に、株主総会の承認を受けます。
株主総会での承認に基づき、会社が消滅します。(法人格がなくなります。)
ステップ9
清算決了手続きを行う。
法務局で清算決了登記手続を行います。
この登記によって、会社の登記簿は閉鎖されます。
廃業から清算までの流れを簡単に解説しました。
会社が倒産するにしても、清算人の選任や、株主総会の開催・決議など数々の手続きを行う必要があり、大変です。
また、特別清算については、利用できる主体などに条件があります。
いつも、お話しすることですが、会社の倒産については、事前に専門家に相談することで、時間に余裕をもってより柔軟に対応することができ、場合によっては、会社の清算を避けることができるのです。
会社の債務でお困りの方は、早めに弁護士などの専門家に相談しましょう。