連帯保証人になるリスク

こんにちは。

 

暑い日がまだまだ続きます。

皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

前回、「債務整理」の中の「任意整理」について解説を行いましたが、今回は、その開設の中で出てきました、「連帯保証人」について解説しようと思います。

 

連帯保証人というと、あまり良いイメージがない人が多いと思います。

 

連帯保証人になると、借金をした人が何かの理由で借金の返済をすることができなくなってしまった場合に、その人に代わって連帯保証人が借金の返済をしなければならないことが悪いイメージの要因の一つだと思われます。

 

一般的に、借金をする(債務を負う)場合、保証人を求められることがほとんどです。

 

その時の保証人とは、ほとんど連帯保証人のことを指します。

 

要は債権者(お金を貸す人)が債務者(お金を借りる人)に「お金を借りるときに借金をした本人が支払うことができなくなった時は、私が代わりに支払います。」と、約束させることで安心してお金を貸すことができるのです。

 

ですから、主たる債務がなければ、保証も存在しませんし、主たる債務が成立しなければ、保証債務も成立しません。

 

因みに民法では、借金をした人の事を「主たる債務者」と呼びます。

 

そして、通常の保証人には以下の3つの権利があるといわれています。

 

①催告の抗弁権

催告の抗弁権とは、債権者から保証人に請求があった場合に、まずは主たる債務者に請求せよと、求めることです。

 

②検索の抗弁権

検索の抗弁権とは、主たる債務者に弁済をする財産があり、また、その財産から支払わせることが簡単なのだから、主たる債務者に先に請求をせよ、と求めることです。

 

③分別の利益

分別の利益とは、保証人が複数いる場合に、支払うべき債務の金額を平等の割合で分割した金額しか責任を負いません、という利益の事を言います。

 

以上が、「保証人」の3つの権利についての解説でした。

 

そして、「保証人」「連帯保証人」には大きな違いがあります。

 

連帯保証人には、保証人に認められている3つの利益がないのです。

 

連帯保証の場合、連帯保証人には「催告の抗弁権がない」ので債権者は、主たる債務者と連帯保証人のどちらからでも好きなほうから、請求をすることができます。

 

そして、同様に連帯保証人には「検索の抗弁権がない」ので主たる債務者に返済する資力があったとしても、債権者は、保証人に対して返済の請求ができるし、連帯保証人はその請求について反論することができないことを意味します。

 

さらに、連帯保証人には分別の利益がないので、主たる債務の全額を保証しなければなりません。

 

これは、債務者と連帯保証人は同じように扱うということになります。

 

以上の事から、始めに書きましたように、「家族や友人の連帯保証人になった人が、多額の借金を負うことになり困窮してしまった」、というような話が世の中にはたくさんあり、連帯保証についてのリスクについて悪いイメージがあり、それが連帯保証人になることに対して負の影響を及ぼしていると考えます。

 

連帯保証がどんな場面でてくるかというと、普通は銀行などの金融機関からローンをするときに連帯保証人を求められることが多いのではないでしょうか。

 

例えば、家を購入したり、車を購入したりするとき、事業を始めたり、家を借りたり、教育ローンを組んだりするときに求められるのが連帯保証人です。

 

 なので、これらの場合は、連帯保証人となる目的があり、またその保証をしなければ、銀行などの金融機関もお金を貸してくれないでしょうから、主たる債務者と利害関係が一致するならば連帯保証人となることも時には必要であるともいえます。

 

しかし、次の場合に連帯保証人になることはしないでください

 

それは、利害関係のない友人や家族の連帯保証人です。

ただ負担を背負う性質の借金の連帯保証人になってしまった場合に債権者は連帯保証人を、債務者と同等に見ますので、知らなかったでは済まされない責任を負ってしまうことになります。

 

いずれにしても、連帯保証契約を結ぶ前に、連帯保証人になることが本当に必要かどうか十分に検討することが必要です。

 

 

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