あけましておめでとうございます。
みなさんは、無事に2021年を迎えることができましたでしょうか。
こんにちは、行政書士のKです。
今回は、多重債務者の方が債務整理をしていく中で、手を染めやすい名義貸しについて
その意味からメリットとデメリットについて詳しく解説していきたいと思います。
まず、名義貸しとは一体どのようなことでしょうか。
簡単に説明するならば、文字通り、名義を貸すということです。
もともとは、株式市場において、顧客に会社の名義を貸して株式取得を代行する作業などのことを指していました。
しかしながら、その意味での名義貸しは数十年も前になくなっています。
2021年の日本において、名義貸しと呼ばれるのは、実際の当事者ではない方が、他の人に依頼されて契約を結ぶ行為のことです。
自分の名義を承知の上で他者に貸し出し、クレジットカードなどの契約をおこない、そのカードを他者が使ったりします。
では、名義貸しにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
名前を貸す側のメリットとなるのは、一時的に報酬を受け取れる点です。
名前を貸す以上、金銭のやり取りが発生しやすいです。
例えば、多重債務者の方であったならば、その一時的な金銭で糊口をしのぐこともできるでしょう。
その意味では、一時的な報酬はメリットになります。
また、名前を貸す相手との関係性を維持、もしくは良好にすることができるのもメリットです。
頼まれてどうしようもなく、名義貸しをおこなった場合はこれに該当するでしょう。
ですが、名義貸しにはこのようなメリット以上のデメリットが存在します。
まず、名義を貸した相手が金銭を返すとは限らない点です。
借りられた債権者からすれば、借りたのは名義を貸してもらった側ではなく、名義を貸した側です。
なので、法的にも返済義務が発生するのは名義を貸した側になります。
こうして、自分自身が多重債務者になってしまい、債務整理を検討しなければならないというケースに発展する方もいます。
もともと、多重債務者であった場合は、返済できない額が増えすぎて自己破産を検討する必要性が出てくるでしょう。
そういったデメリットがあるので、名義貸しはよほどのことがない限り、してはいけないことです。
いかに、自分が名前を貸しただけで借り入れた張本人ではないと主張したとしても、債権者からすれば言い訳にすぎなく、名義を貸した側は借金を返さないといけません。
また、支払い義務が発生しているにも関わらず、自分は名義を貸しただけだと無視し続けた場合にもデメリットが発生します。
まず、起こるのがブラックリストへの登録です。
金融機関やクレジットカードの信用情報機関にブラックリストとして登録され、新たな融資を受けることができなくなってしまいます。
ほかにも、詐欺事件に名義を貸された側が関わっていた場合は、その幇助に問われる可能性もあります、
そもそも、名義貸し自体が詐欺罪に問われた判例結果もあるので、刑事事件に発展する危険性は十二分にあることを理解した上で、名義を貸す必要があるでしょう。
こういったことが起きないように、名義貸しをどうしてもおこなわくてはならないときなどは、きちんと文書に書き起こして、契約や返済義務の確認をしておきましょう。
今回は、名義貸しについてその意味とメリット、デメリットを解説してきました。
いかがでしたか。
名義貸しには、一時的に報酬を受けられたり、信頼関係の構築ができるメリットがある一方で、最悪の場合詐欺罪に問われてしまうほどのデメリットがあることが、分かっていただけましたか。
借金で首が回らなく、どうしようもなくなったとしても名義貸しをする前に、司法書士などに相談してみてくださいね。