会社の倒産と自己破産は何が違うのか?

1月から流行し始めたコロナウイルスが連日ニュースを騒がせています。

先日からマスクが手に入りにくくなり、インターネットオークションで高額取引をされたり、トイレットペーパーなどの紙製品が一時品切れによって手に入りにくくなるなど、いろいろなところに影響が出ています。

日本だけではなく世界でもウイルスの猛威により、経済に悪影響を及ぼしています。

ヨーロッパでは外出禁止令を発令した国もあるとか。

 

日本は、このところインバウンドの観光客による経済活性化を狙って様々な観光誘致などの取り組みをおこなったり、2020東京オリンピックも直前迫ってきましたが、延期の話が出るまで、大きな事態になってしまっています。

 

そんな中、旅館業の廃業のニュースを目にしました。

 

中国の観光客にむけて、営業を行っていた旅館が、コロナの流行による、中国の渡航制限などから、集客ができず、経営が立ち行かなくなり倒産してしまったといったニュースでした。

 

会社が倒産する理由 

会社の倒産で多い理由の一つに販売不振があります。

旅館でいえば、宿泊客の減少です。

販売不振の原因には2つのパターンがあり、長年に渡り少しづつ顧客が減少していく場合と急激に減少してしまい、経営が立ち行かなくなり、倒産するパターンです。

 

上記の旅館は、中国の観光客向けに旅館業を営んでいたということなので、コロナの流行で、急激に客足が遠のき、経営不振から倒産となったと考えられます。

 

さて、個人についてはどうでしょうか。

幸いなことに、まだコロナによる破産とか、債務整理なんて話は聞こえてきません。

東京都内では、2021年度の新入社員の内定取り消しをおこなった企業があるようですが、景気が悪くなり破産をする人が現れてくるのは、もう少し先だと思っています。

 

ところで、個人の破産と会社の倒産とは似ているようで全く違うということをみなさんはご存じでしょうか。

 倒産と破産の違い

会社の倒産とは会社がつぶれてしまうことを指した言葉です。

つまり、倒産とは会社が、債務超過に陥り、経営遂行能力を失ってしまった状態を言います。

銀行取引において不渡りを出すなど、信用を失う状態を「事実上の倒産」などと言ったりします。

会社がつぶれていなくても、支払いの滞納などがある状態を「倒産」と呼ぶこともあります。

 

会社が完全につぶれてしまうという意味でつかうのであれば、廃業という言葉を使うのがより正確でしょう。

 

それでは、個人が破産するというのはどのような意味なのでしょうか。

 

破産とは破産法という法律の法的手続きのことです。

 

裁判所に申し立てることで債務(借金)を圧縮したり、なくしたりすることができるのです。

返済義務が消滅するため、毎月の返済について頭を悩ませることがなくなります。

これは、債務者からだけでなく、債権者も申し立てをすることができる場合があります。

自己破産とは

それでは、自己破産とはなんでしょう。

 

自己破産とは、「破産」の一種で、債務者が自分で裁判所に破産申し立てをすることから「自己破産」と呼ばれています。

 

 ただし、あくまで破産申請の一形態であるため、自己破産という独立した規定があるわけではないことは知っておいてもよいでしょう。

 

ちなみに、会社が破産申請をしたときに伴い、取締役が破産を申請することがあります。

 

この場合は「準自己破産」と呼ばれています。

 

まとめ

 

今日は、会社の倒産と自己破産の違いについて書きました。

 

 倒産とは、状態を表す言葉、破産とは法的手続きを伴う法律用語となります。

よく両方の言葉を、混同してしまう人がいますが、両者は全く別物です。

 

いずれにしても、倒産のニュースはこれからも増えそうな状況です。

 

経営に不安のある方は早めに専門家に相談されてみてはいかがでしょうか。

 

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