会社が倒産しそうだ。
そのような状態になったとき、多くの場合「破産手続き」をとることになりますが、
破産手続きをおこなうには、多くの手間がかかります。
計画的に手続きを進めるためにもエックスデーに向けて、早めの準備をおこなわなければなりません。
参考:Xデーをいつにするかは重要!なぜ現金の多い日にしたほうが良いのか?
ここでは、一般的な破産手続きの流れを見てみましょう。
・破産手続きの申し立て
破産手続き申し立て自体は弁護士に破産手続きの依頼をすれば、裁判所に申請をしてもらえるので、経営者が裁判所に赴く必要はありません。
※弁護士が破産手続きの受任した段階で受任決定通知書を作成してくれますので、債権者からの取り立ても止まります。
裁判所からは、破産者が裁判所で担当官や弁護士を交えて面接を行うことになります。
これを破産尋問と呼びます。
その後、破産手続き開始通知書が作成されて、破産手続きが開始されます。
次にしなければならないことは、破産管財人の選任です。
弁護士や会社経営者がそのまま破産管財人につくこともあります。
破産管財人の役目は、会社の債権・債務を整理して、債権者などに、分配をおこなうことです。
経営者が、会社の連帯保証人になっている場合は、その経営者も同時に破産手続きをおこないます。
この場合は会社経営者は破産管財人にはなれません。
破産管財人には、会社の資産はもちろん、会計帳簿などの会社に関する資料をすべて引き渡すことになります。
破産管財人は、会社財産を現金化し、負債を返済したり、債務の調査をおこなったりします。
債権者集会を開き、破産管財人から現状報告を行います。
債権者集会は数回にわたって行われます。
当然、債権者の人たちは会社に対し厳しい目を向けることになるでしょう。
会社の債権債務の調査が終了して、会社資産の換価が終わると、債権者の債権の種類や持ち分に応じて、配当金を支払います。
この後は破産手続きを受任した弁護士が、会社の抹消登記などを法務局でおこなって裁判所が破産手続き終結決定をして官報に掲載して、破産手続きは完了します。
・エックスデーに向けて経営者が準備しておくこととは
破産手続きの前に経営者が知っておくべき知識をつ紹介します。
① 破産手続きの費用がどの程度掛かるのか、知っておくこと。
費用は、弁護士報酬や、裁判所への予納金などの準備が必要になるので、
高額になることが予想されます。
②法人の破産の場合は法人財産の処分免除規定がないことを知っておくこと。
自己破産(個人の破産)の場合は生活必需品や、最低限度の現金などは差し押さえ禁止財産となっていますが、法人にはそのような制度はありません。すべて処分の対象になります。
③破産手続きをおこなうと法人は消滅することを知っておくこと。
破産手続きが終結すると法人は消滅します。
なぜなら、法人格とは法律によって与えられた権利だからです。
個人は破産してもその後の人生があるので、消滅するということはありません。
・まとめ
実際の破産手続きには、細かな書類や、実費などがかかります。
また、破産手続きが終わるまでには、スムーズに進んでも数か月はかかります。
そして、その間の精神的負担も相当なストレスがかかります。
自分の起こした会社が倒産しないように、日ごろから、経営についての努力を惜しまないことがまずは大切です。
しかし、経営を続けていく上では、何度となく倒産の危機に陥ることが起こりえます。
経営にトラブルはつきものです。
完全には避けられません。
できればこないほうが良いのですが、エックスデーが来る前に準備をしていることで、実際にそれが起こった時に、破産手続きがスムーズに進みます。
日ごろの準備が再起を図る助けになることも忘れないようにしたいものです。